スラムドック$ミリオネア
スラムドック$ミリオネア
オススメ度(78点/100点中)
あらすじ、
アジア最大のスラム街、ムンバイで生まれ育った少年ジャマールは、世界的人気番組「クイズ$ミリオネア」に出演。そこで最後の一問を残して全問正解し、億万長者にあと一歩の所まで近づく。しかし、無学の彼が正解できるはずがないと疑われ、警察に連行、尋問されてしまう。彼は一体どうやって全ての答えを知りえたのか?そして、彼はなぜミリオネアに挑戦したのか?
この映画は、アカデミー賞最多8部門を受賞!ゴールデングローブ賞最多4部門を受賞!と輝かしい受賞暦が並ぶ。二年ほど前に話題になったが、日本のミリオネアがそんなに好きな訳じゃなかったので少し敬遠していた。内容も、彼がどんなトリックを使って正解していくのだろう?と全く見当違いの想像を勝手にしていた。
この作品は、少年ジャマールの人生である。そして、幼い頃出会い、兄と共に一緒に毎日を過ごしてきた少女ラティカを探し、追い求める物語である。しかし彼がミリオネアの舞台に立つまでには想像を絶する困難があった。スラム街の非常な現実や、宗教間の争い、親を失くした子供達を金儲けのダシに使おうと近寄るマフィア、それらを乗り越え、辛い記憶を自身に刻んでいく。
作品が始まってまず目を奪われるのは、家が密集したムンバイを縦横無尽に逃げ惑ういたずら好きな子供達の姿!巧みなカメラワークに空からの映像を絡め、とてもスピード感のあるシーンとなっている。これは作品を通して言えることだが、次々と変わるシーンのテンポが良い。少年から青年へと変わっていく数年間を120分に収めたにもかかわらず、見終わったあとに作品の凝縮度を感じるのはそのためだろう。他にも眼を奪われる映像がいくつもあるので、そこは感動した。
登場人物達も魅力的だ。ジャマールの兄サリームは、いつも主導権を握り弟の上に立つ存在。しかしそれがいつも正しいとは限らない・・・。見てる途中でサリームに対する感情が右往左往したのを覚えている。でもやはり兄は兄なんだなぁ。そしてジャマールが追い求める愛しい人ラティカ。決して楽ではない人生を歩んでいくのだが、ずっと心のどこかにジャマールを想う気持ちがある。三人の女優がラティカの成長していく姿を演じるのだが、皆、人を惹きつける魅力がある。幼少期の子も、少女期の子もイメージを全く壊さないキャストで、最後の成人期のラティカ役のフリーダ・ピントーはこう成長してて欲しいという想像そのままの姿だった。綺麗過ぎる。
ただ運命ってだけであそこまで上手くいかせちゃうの??ってもやもやが胸に残ったので、そこは少し残念。インド映画お決まりのエンドロールダンスは、一瞬びっくりしたけど、映画で苦しい場面を見てる分、楽しく踊る出演者達をみてこっちも楽しくなった。
不正を暴こうとする警官がこういった、
「なぜお前みたいな負け犬に答えが分かる!!」
「・・・頭が良くなくたって答えは分かるさ」
全ての答えは彼が生き抜いてきた人生にあった。
一問正解するごとに近づいていく・・・。
そして必ず、君を見つけ出す。
苦難を乗り越え幸せを掴む人生、そんな姿に勇気を貰いたい人にオススメの一本です。
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2009/10/23
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