そして誰もいなくなった/アガサ・クリスティ

そして誰もいなくなった/アガサ・クリスティ
オススメ度(84点/100点中)

読んだことが無い人でも一度は耳にしたことがあるであろうその題名。
アガサ・クリスティの代表作の一つであるこの作品は、クローズド・サークル*1の小説としても代表作として名が挙がる。

あらすじ、
性格も職業も全くことなる10人がインディアン島に招かれる。共通しているのは誰もがU.N.オーエンに招待され、そして誰もU.N.オーエンを知らないことだった。10人が一人、また一人と死んでいく中で、彼らは殺されるために招待されたことに気付く。それに応じて卓上の10体のインディアン人形も姿を消すのであった。しかし犯人が特定できないまま、殺人は続いていく。一人、また一人と。最後に残った一人も自殺し、そして誰もいなくなった

こんなにも有名な小説を今更読むの?といった意見は受け付けません!
同じイギリス推理作家であるコナン・ドイルの本は図書館で読み漁ってたけど、我が家に沢山あったアガサ・クリスティは読んだことがなかった。何故?と聞かれても分からない・・・なんででしょうね。

さて、そんな名作ですが、まず個人の勝手な意見で言わしてもらうと、主要人物が序盤で10人出てきて、名前が皆横文字なので、最初全然覚えれなかった!誰が刑事?誰が判事?ブロアって誰??と混乱してた。最初のページに人物の簡単な紹介があって凄く助かった。このページとインディアンの歌のページは皆さん何度も見ることになるはず。
そんな登場人物たちもそれぞれ人に言えない過去があり、個性的な人達なのでそれぞれキャラが際立ってくる。誰もが警戒心を持っているはずなのに、一人ずつ殺されていく緊張感と無力感。そして本当にU.N.オーエンが誰なのか分からない!後にある手紙によって事件の真相は明らかになるのだが、そこで事件を解く手がかりはあったと気付く。けど、読んでる途中じゃ分からないよな〜と思います。
クローズド・サークルの代表作といわれるように、必ず犯人はインディアン島にいるはずなのに誰か分からない。物語の軌跡を登場人物達と一緒に思い出したり、色んな可能性を考え推理する。そんな推理小説本来の楽しみ方を再度思い出させてくれた作品でした。

推理小説好きなら一度は読んでおきたい作品ではないかと思います。

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

*1:クローズド・サークル(closed circle)はミステリ用語としては、何らかの事情で外界との往来が断たれた状況、あるいはそうした状況下でおこる事件を扱った作品を指す。