『バタフライ・エフェクト』

バタフライエフェクト
オススメ度(90点/100点中)

あらすじ、
少年だった頃、時折記憶を喪失してしまうことがあったエヴァン。大学生になりその症状も表れなくなったのだが、ある日ふとした出来事から過去に戻れる能力があることを知る。そして、自分のせいで不幸になってしまった幼馴染のケリーの運命を変えようとする。しかし、過去を変えることで自身が望んだ未来になるわけではなかった。エヴァンは何度も過去へ戻り、自分とその周りの人々が全員幸せになる未来への選択肢を探す。

題名のバタフライ・エフェクトとは、カオス理論の一つであるバタフライ効果の意を表している。これは、ある場所での蝶の羽ばたきが、そこから離れた場所の将来の天候に影響を及ぼすという効果である。まさにこの映画でも、エヴァンが過去で選択した行動が、未来では多大な影響を与えている。

エヴァン!そうじゃない!そこの選択はそっちじゃだめなんだ!と悶えるシーンも度々。エヴァンはただ皆が幸せな未来で過ごしたいだけなのに・・・どうして、どうしてこうなっちゃうんだ・・・。と、この残酷な脚本に歯を噛み締めたりもしましたが、これは現実の世界でもそうなのかな。過去の何気ない選択肢が、今の自分の人生に凄く影響を及ぼしてることってあると思う。

そんなサスペンス色が強い作品ですが、とても一途なラブストーリーでもある!過去に戻ることは自身にもかなりの負担がかかることは知っているエヴァン。それでも大好きなケリーを幸せにするために何度も、何度も過去に戻る。そして彼が最後に下す決断とは。

この映画の良いところは、誰に聞いても、「脚本」と答えるはず。過去、未来と複雑に入り組んだ時間軸の中で、物語は進行していく。しかし所々に散りばめた伏線を丁寧に回収し、物語を収束させている。それもそのはず、監督・脚本を手がけたエリック・ブレス&J・マッキー・グラバーはおの脚本の完成に6年の歳月を費やしたらしい。そんな練りこまれた脚本と、一途で切ないエヴァンのサスペンスラブストーリーを是非楽しんで欲しい。